蜆　-しじみ-

しじみの産地茨城において30年間、主な販路として企画でのカタログ販売を中心に販売させて頂いてきました。しかしカタログ販売は写真とセールス文での売り買いになります。この形ではお客様に対して100％満足のいく製品でないとクレームの対象となります。その中でお客様のご意見を１つ１つ丁寧にお伺いし対応をしながらご満足いただけるものになったと確信しております。

1. 涸沼のしじみは12mm以上の網目の工具で漁獲されますので他産地よりも大粒なのが特徴です。
2. 製造に関して重要な事は、しじみの固体の大きさでは無く、‘どの温度帯で確保されていた‘‘加工時の水温‘‘砂出し時間‘‘水揚げ時間‘塩水を吸わせる時間‘に美味しくなる秘密があります。もう一つ大事なことは厳しい環境で如何に鮮度を落とさずに旨味成分を貝の中で変化させ美味しくさせるかです。
3. しじみ(しじみ)の栄養成分は、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンDなどや、カルシウム・鉄・リン・コバルトなどのミネラル成分、タウリンなどです。
4. 海産物は栄養素・ミネラル成分が豊富ですが、しじみもまた同様に栄養成分豊かな健康食材と言えます。しじみに含まれるタンパク質は少量ではあるものの、アミノ酸(チアミン・タウリン・コハク酸)が含まれており大変良質です。しじみに含まれるタンパク質(アミノ酸)は胆汁の働きを促進する作用があり、肝臓の解毒作用を促進する健康効果があります。このしじみの健康効果は二日酔いの解消に威力を発揮します。二日酔いの翌朝の朝食に、しじみの味噌汁を飲むと二日酔いが解消されるのでお勧めです。また、しじみにはイノシトールという栄養成分が含まれ肝臓への脂肪付着を予防する効果があるほか、コハク酸と呼ばれる栄養成分は胆汁の分泌を促進する効果があります。しじみ(しじみ)の健康効果/効能は主に肝臓で効果を発揮するようです。しかし肝臓への健康効果だけではなく、眼精疲労の改善・利尿促進といった効能もしじみにはあるそうです。

• 茨城県の海に近い真ん中にある涸沼はもともと海だったのが、那珂川の堆積作用で封鎖され、湖となったものです。だから、海抜も0m。海の干満と同じく1日2回水位が約40cm(大潮のときには最大90cm)上下し、満潮時には海水が涸沼川を逆流するのが見られます。
• 自然豊かな涸沼から昔ながらの手掘り手選別の漁法によりお届けするのが涸沼のしじみです。
• 漁師さんが運んでくれたしじみを冷蔵庫で１日から２日ほど休ませてから砂出しをさせます。夏場で30分から1時間冬場で2時間ほどの砂出しを行います。この後厳しい選別の工程になります。
• 基本の選別は貝と貝をぶつけて音を聞くカンカンと金属音に近いものはＯＫ。ぼそぼそと濁ったり低い音は要注意です。
• １つ１つ選別したら臭いをかいで水で洗って仕上げます。
• 高いところから落としたり当ててバクダン（泥がつまっいる貝）や死んで開き易くなった貝を見つけます。塩屋の仕事は全て手作業です。機械化は考えておりません。1つ1つ流れ作業にならないように誠心誠意作り上げています。

1. 目選別
2. 貝同士を打ち合わせて音選別
3. 臭気選別

三段階の選別手法をとっています。

• 除去
• 割れ・欠け
• 腐敗臭など異臭
• 異物
• 死貝

• 　臭いの原因はしじみがもっている"土壌のにおい"です。涸沼の湖底には様々な土壌環境があり、土壌によっては"カビっぽい臭い"に感じられることもあるようです。大和しじみが生息している涸沼は、太平洋からの海水と、涸沼川を中心とした河川から流入する淡水が混じり合う"汽水湖"です。塩分濃度は通常０．３～０．６％位あり大和しじみが生息するのにとても適した水質環境です。しかし時期によっては降雨等の影響で河川水が増え、水域によっては塩分濃度がかなり薄くなることがあります。塩分にはしじみの土壌臭を抑える効果があるとともに、その濃淡によってしじみが摂取する植物性プランクトンの種類を変える役目も果たします。通常の塩分濃度環境（０．５％前後）にいるプランクトンを食べている場合には影響はないのですが、薄い塩分濃度環境で繁殖するプランクトンを摂取すると土壌臭が蓄積しやすくなるようです。（においの原因はジオスミンという物質といわれており、このにおいの感じ方には個人差があるようです）


• 　ゲオスミンは雨が降ったあとの地面の匂いを持つ有機化合物の一種で、デカリン誘導体のアルコールである。光学異性体が存在し、天然のものは(−)体です。「大地の臭い」を意味し、テーブルビートのもつ土のような味や下水道から発生するカビ臭の原因物質でもあります。ヒトの鼻はゲオスミンに対して敏感であり、5ppt程度の濃度でもそのにおいを感じることができます。


• 　藍藻や放線菌、特にストレプトマイセス属などの微生物によって産生され、それらが死んだときに放出されます。ゲオスミンはセスキテルペンの前駆体であるファルネシル二リン酸から生合成されます。ゲオスミンは雨によって土中から大気中に拡散し、独特の雨上がりのにおいのもとになります。水の供給を表流水に頼っている地域では、ゲオスミンを作り出す微生物が急に減少したあと水源に放出され、水がまずくなるという現象が定期的におこります。酸性条件では無臭の化合物に分解します。
  
• 　また、コイやナマズなど水底に住む淡水魚が持つ泥臭いにおいのもとでもあります。藍藻はゲオスミンや2-メチルイソボルネオールを作り、これが魚の皮膚や血合に濃縮される。ゲオスミンは酸性条件で分解するので、酢など酸性の調味料を調理に使えば泥臭さを抑えることができます。
• 　放線菌とは?微生物用語。カビ様の微生物で、糸状の菌糸が放射状に伸びる細菌。土壌中、その他自然界に広く分布する。病原性を示すものもあるが、抗生物質（ストレプトマイシンなど）を産出するストレプトマイセス属のように有用なものがある。


• 　便毛藻が原因も確認されている５月の渇水時期に海のプランクトンが多くなり便毛藻が多く摂取され臭気の元になることがある。


• 　どちらにしても臭いの元であり体に影響のあるものではないそうです。


• 　情報は霞ケ浦環境科学センターすのう様内水面試験場岩崎様より頂きました。

産地

• 涸沼・涸沼川（茨城県）
• 青森県
• 北上川（宮城県）
• 網走湖（北海道）

• 　ヤマトしじみ（大和しじみ、Corbiculajaponica）はしじみ科の二枚貝で、河川の河口、淡水と海水が混じる汽水域の砂礫底で見られる。干潮になると水がなくなるような干潟でも生息している。


• 　殻は30～35mm、殻の表面は若いうちは茶褐色、成長につれて黒色へと変化していく。殻には光沢があり、成長につれて、あまり目立たない同心円状の凹凸ができる。殻の内側は稚貝のうちはやや紫色をしているが、大きくなるにつれて白色となる。雌雄異体で卵生である。


• 　日本において、広く食用にされているしじみは、このヤマトしじみである。貝類は調理する前に、砂抜きという作業を行なうと良い。ヤマトしじみの砂抜きは、真水で行なうこともできるが、海水の半分くらいの濃度の塩水が適している。こうすることでうまみが逃げないと言われている。濃度がわからない場合は、汁物よりしょっぱいと感じです。


• 　日本本土には2〜3cm程度のヤマトしじみ（全国の汽水）、マしじみ（全国の淡水）、セタしじみ（琵琶湖水系特産）があります。



• 外来種
• 　しじみの輸入。北朝鮮・ロシア産の輸入量はここ10年間ほぼコンスタントだが，中国・韓国産のしじみ輸入量は2003年あたりからかなり減少してきていて，その分「その他」の国が増えている。これが中国から輸入したばかりのしじみで，このあと砂抜きなどをしてから出荷される。


• 　セタしじみによく似た3角形の殻をしている。

• 冷凍は、バラ凍結（-25℃）が基本であり、一昼夜かけて冷凍します。この工程によりコハク酸がアミノ酸等に変化して美味しくなっていきます。


• しじみの旨味成分はコハク酸です。このコハク酸を貝たちは生活が厳しくなると大量に出しアミノ酸へ変化させて体を守ろうとします。これが旨みを大幅に持たせる秘密です。テレビで冷凍にすると・・・と流行りましたが正に厳しい環境において美味しくさせて冷凍により細胞を壊すことで旨みを出やすくさせている理にかなった方法です。しかしながらこの旨味成分はー1～ー8℃の間でしか増えず、市販の冷凍しじみは急速凍結されたものが多いですが、弊社のしじみは低温でじっくりと凍結しているのでこの旨味成分が増しています